複数行の数式を揃える
amsmath の整列位置、改行、式番号を使って、導出を読みやすくします。
このページの内容
amsmath の環境を使い、単にソース行が長くなった位置ではなく、導出の論理が変わる位置で改行します。整列と番号付けの必要性に応じて環境を選んでください。
適切な環境を選ぶ#
| 環境 | 用途 |
|---|---|
align / align* |
関係記号の位置で揃えた複数の関連する行。アスタリスク付き形式には番号が付きません。 |
aligned |
equation などの数式コンテナ内に入れる、コンパクトな整列ブロック。 |
split |
1 つの長い番号付き数式を、1 列の整列位置で複数行に分ける場合。 |
gather / gather* |
共通の整列位置が不要な、個別の中央揃え数式。 |
cases |
左波括弧と整列した条件を使う区分的な定義。 |
導出を作成して参照する#
整列させる関係記号の直前に & を置き、行と行の間に \\ を置きます。各行は、周囲の文の一部として句読点を付けてください。
\documentclass[10pt]{article}
\usepackage{amsmath}
\begin{document}
The least-squares objective satisfies
\begin{align}
J(\theta) &= \sum_{i=1}^{n}(y_i-\theta x_i)^2, \label{eq:objective}\\
\frac{dJ}{d\theta} &= -2\sum_{i=1}^{n}x_i(y_i-\theta x_i), \notag\\
\hat{\theta} &= \frac{\sum_i x_i y_i}{\sum_i x_i^2}. \label{eq:estimate}
\end{align}
Equation~\eqref{eq:estimate} is valid when \(\sum_i x_i^2>0\).
A clipped response is defined by
\begin{equation}
g(x)=\begin{cases}
0, & x<0,\\
x, & 0\leq x\leq 1,\\
1, & x>1.
\end{cases}
\end{equation}
\end{document}導出の 1 行目と 3 行目には、それぞれ別のラベルと番号が付きます。中間行の番号は \notag で抑制されます。区分関数では、条件のために 2 列目の整列位置を使っています。各 \label は、そのラベルが示す行に置いてください。
入れ子の配置と整列しない配置を使う#
以下は配置を学ぶための例です。末尾の勾配とヘッセ行列の条件は、2階まで連続微分可能な関数が制約なしの局所最小値を取るための必要条件です。この条件だけで最小値と証明できるわけではありません。
複数の関係式で 1 つの式番号を共有する場合は、aligned を使います。
\begin{equation}
\begin{aligned}
a &= b+c,\\
d &= e-f.
\end{aligned}
\end{equation}自然な続きがある 1 つの長い数式には split を使います。複数の中央揃え数式が関連していても、共通する有用な関係記号がない場合は gather を使います。
\begin{equation}
\begin{split}
p(y\mid x) &= \int p(y,z\mid x)\,dz \\
&= \int p(y\mid z,x)p(z\mid x)\,dz.
\end{split}
\end{equation}
\begin{gather*}
\nabla f(x^*)=0, \\
\nabla^2 f(x^*) \succeq 0.
\end{gather*}gather のアスタリスク付き形式では、すべての番号が抑制されます。split は、外側の equation が持つ 1 つの番号を継承します。
align、gather、equation を \[...\] の中に置かないでください。これらの環境は、それ自体が別行立て数式モードに入ります。複数の & を使うと複数の整列列が作られ、列ごとに異なる間隔が交互に入ります。そのため、対になった数式など、意図した配置にだけ使ってください。LaTeX が整列エラーを報告した場合は、最初に報告された行に余分な &、欠けた \\、対応していない数式境界がないか確認します。
演習として、目的関数の行から番号を取り除き、推定値だけを参照してください。残った参照が解決され、別行立て数式を含む文全体の句読点が自然に読めれば完了です。次は、定理と証明の組版を学びます。
